タッチタイピングが重要な理由
(C)2001-2007,patbank(R) 山本美孝
■パソコン活用の鍵はタイピング
今、パソコンは急速に普及しています。「IT革命」という流れにそって、今までは考えられなかった
世代の人−子供も主婦もお年寄りも−がパソコンに触れる時代です。その時に一番のネックになるのが
キーボードです。あの一見デタラメなキーボード配列が大きな障害となっています。
初心者向けのパソコン教室の講師をしている知人が、しみじみと言いました。「タイピングの遅さが
パソコン習得のネックになっている」と。一本の指でキーを探しながらポツリポツリと打つのでは、
講習が進まないのだそうです。教えなければならないのは、ワープロや電子メール、インターネット
表計算にデータベースなどなのに、それらを習得する前に皆がキーボード上の文字を探すのに必死だ
というのが現状です。
パソコン活用の鍵はタイピングです。
正確には、「キーボードを見ずに打つ」タッチタイピング、
それができるかどうかがとても重要です。
Windows時代になって、ソフトウェアは誰にでも使いやすい操作性に変わりました。そんなソフトは
1時間も触れば使い方の概要はマスターできます。ヘルプ機能も充実していますから、1日もあれば
やりたいことはできるようになります。詳しく知りたければ、解説書が数多く発売されているので
購入してもよいでしょう。
でも、そのソフトを使うあなたが、1本指でポツリポツリと打っていたのでは話になりません。
「パソコンを使いこなす」には「タッチタイピングができる」ことが必須です。もちろん、タッチ
タイピングが出来なくても、立派にパソコンを使っている人はいます。しかし、フルに活用しているかと
いうと疑問です。パソコンという道具を本当に使いこなすためには、キーボードを制覇することが不可欠
なのです。

キーボードイラスト (C)小林ひろし
■我流の限界
最初は1本指で打っていた人も、長くパソコンに触れていると、キーの位置をだいたい覚えることができます。
すると、それなりに打てるようになります。しかし、1本指入力ではキーボードを見ずに打つことができないため、
たえず視線の移動を繰り返さなくてはなりません。つまり、キーボードを見て、次にモニタの画面を見る、という
ことになります。特に日本語を入力するには、「かな漢字変換」作業が必要なため、大変です。
もちろん1本指でなく、複数の指を使ってキーボードを打てるようになる人もいます。そこまでの域に達すると、
「俺は、結構速く入力できる」という自負を持つ人もいます。
しかし、我流には悲しい限界があります。今までまったくパソコンに触れたことがない人が、タッチタイピングを
学んで習得したとしましょう。タイピングの基礎を習得するのに必要なのは2週間程度です。その人が
タッチタイピングをマスターしてから3か月経過し、本格的に打ち始めるようになったら、我流の人は確実に
抜かされます。たとえ、キーボードに10年間触れていたとしても、キーボード歴3か月の人に負けるのです。
これが現実です。
また、我流で変な癖がついてしまった人がタッチタイピングを目指す場合は、少し覚悟が必要です。まったくの
初心者よりも習得に時間がかかることを覚悟しなければなりません。
■タイピング習得後の世界
タッチタイピングをマスターした後にはどんな世界が待っているのでしょうか。キー入力の速度は飛躍的に
速くなりますから、自分が考えたことをすぐにデータ化することができます。そうなってはじめて、あなたの
「IT革命」が始まります。
●ワープロもメールもらくらく
ワープロもメールも、本格的に使いこなせるようになります。考えたことを指が自動的に打ちはじめる快感を
味わえるでしょう。
あるいは考えがまとまらなくても、とりあえずキーボードに向かって、思いついた文章の断片を入力していき
ましょう。それを眺めることによって、書きたかった文章に再構成する作業が簡単に行えます。
また、その域に達すると、ワープロよりもエディタを好むようになる傾向があります。エディタとは、ワープロの
文字装飾機能や図などを使用しない「素のテキスト」を作成するためのツールです。Windowsに付属している
ものとしてはメモ帳がありますが、有名なところではオンラインソフトの秀丸エディタなどがお勧めです。
●表計算もデータベースもプログラミングさえ恐くない
表計算もデータベースも、時間がかかるのはデータの入力作業です。タイピングをマスターしていればそれが
苦になりません。さらにあなたが「自分でもプログラムを作ってみたい」と思った場合にも、威力を発揮します。
プログラミング言語を習得するのにはそれなりの努力と時間が必要です。しかし、タイピングにより裏付けられた
自信を持っているあなたなら、必ず出来ることでしょう。
パソコンの苦手意識は、実はキーボードの苦手意識だったのだと気が付いていただけることと思います。
■入力方式には2通りある
キーボードでの日本語入力方式には、ローマ字入力とカナ入力の2通りがあります。筆者は両方ともタッチ
タイピングできますが、その経験上、ますローマ字で練習されることをお奨めします。
キートップに表示されている文字と1対1で対応している点では、カナはわかりやすいと言えます。それに対して、
ローマ字は昔学校で覚えたローマ字を思い出しながら打つ必要があります。「『が』は………『GA』だったかな?」
という調子です。
しかし、ローマ字は習得が容易なのに対して、カナは習得するために相当苦労しなければなりません。カナは、
覚えるキーがローマ字の倍以上あるからです。またキーボードの4段すべてにキーが配置されていて、小指の負担が
多いのです。仮にカナを習得したいとお考えの方でも、まずはローマ字をマスターした後にチャレンジされるほうがよい
と思います。
ローマ字入力をお奨めする理由をまとめてみましょう。
●覚える文字は、基本的に23文字
ローマ字だけに限定して考えると、
「あいうえお」の母音 5文字 ……AIUEO
「かさたなはまやらわ」の子音 9文字 ……KSTNHMYRW
「がざだばぱ」 の子音 5文字 ……GZDBP
「ぁぃぅぇぉ」などに必要な 1文字 ……L
となり、数えてみると5+9+5+1=20文字になります。ほかに句読点なども覚えなければいけませんが、
長音の「ー」と句読点の「、」「。」を加えてもたったの23文字です。不要なのはCFJQVXの6文字ということに
なります。
ただ、
CHA FU JI
という入力方法もありますから、それならいっそ英字26文字全部を覚えてしまうほうがよいでしょう。そうすれば、
英語が混在した文書を作る時にも便利です。
もしもカナ入力を覚えようとすると、48文字を覚えなければなりません。またパソコンを便う上で、英字の入力は
必須です(例えばホームベージのアドレスを入力する時など)。カナ入力を選ぶとしても、英字をタッチタイピング
できたほうがよいのです。
●指の負担が少ない
ローマ字で必要なキーはキーボードの3段にレイアウトされています。指に負担をかけずに自然に打つことが
できます。しかし、カナ入力を選ぶと、キーボードの4段に配置されているため大変です。
前述したとおり、著者はローマ字もカナも両方ともタッチタイピングできます。ただ、カナをマスターするためには、
ローマ字の3倍の練習が必要でした。
ローマ字は打ちやすいため習得も簡単です。パソコンはローマ字入力のタッチタイピングで行きましょう。
●基本は訓令式
ローマ字入力には、訓令式やヘボン式といったさまざまな方法がありますが、基本的には訓令式をお勧めします。
例えば、「し」を入力する場合、訓令式だとSIの2文字ですみますが、ヘボン式だとSHIと3文字になるからです。
もっとも、「私は『SHIと打ちたい』という方はヘボン式でもかまいません。
実際、パソコンにおけるローマ字入力は、訓令式とヘボン式が混在しているのが現状です。例えば、「じ」と入力する
場合、ZI JIのどちらでも受け付けてくれます。どちらが自分にとって自然に打てるのかも加味すると、入力方式も
混在させざるを得ません。
●合理的な入力テーブル
合理的と思われるローマ字の入力方法を例示します。
まず「ふ」ですが、これは「HU」よりも「FU」が合理的です。
その理由は、
「F」が左手人差し指のホームポジションに位置すること
「ふぁ」と打ちたい時に「FA」で足りるからです。
後は好みによって分かれますが、「ちゃ」を「TYA」と打つかそれとも「CHA」と打つかです。「TY」は人差し指を
斜め上にシフトする必要があります。それに対し、「CH」の方が打ちやすいと感じる人が多いと思います。
●他のローマ字入力のポイント
「ん」の入力を「NN」「N」のどちらにすべきかは悩むところですが、「NN」に統一しましょう。
それは例えば「こんな」と打つ場合、「N」に慣れていると「KONNA」と打ってしまいますが「こんあ」と解釈されて
しまうためです。多少は面倒かもしれませんが、「NN」に慣れた方が無難です。
小さい「っ」の入力方法は覚えておられるでしょうか? これは子音を重ねれば自動的に入力できます。
例えば、「こまった」は、 「KOMATTA」とTを2回重ねることで入力できます。
長音の「ー」は、キーの最上段の右側にありますが、実際の入力は「−」(マイナス)を使用します。
句読点の「、」は「,」(カンマ)で「。」は「.」(ピリオド)で入力します。
■タイプ練習ソフトならWact、Wactnetシリーズ
せっかくパソコンを持っているのなら、積極的にパソコンのソフトウェアで練習しましょう。
タイプ練習ソフトならば、patbank(R)が作成しているWactシリーズ(シェアウェア)をオススメします。
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また、オンラインソフトウェア大賞のエデュテイメント部門賞も受賞しています。

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